※当記事はネットショップ運営当時に別ブログで掲載していた内容に加筆しているものとなります。
・通称「パキ綿」とは何か
パキスタンコットンのTシャツは通称パキ綿と呼ばれ、名前の通りパキスタンのコットンを使用したTシャツです。
特徴としてはコットン100パーセントですが伸縮性に富み、安価なため作りが非常に脆いです。
アメリカでパキスタン製のコットンを使用したTシャツが使われるようになったのは1970年代まで遡ります。
今でもミュージシャンのライブ会場に行くと会場の外で正規品ではないTシャツを販売している人がいるのをしばしば見受けますが、それと同じで当時のアメリカもライブ会場の外で正規品ではないTシャツを販売していました。
会場に入れない人や会場でTシャツを買えなかった人達に販売する目的で主に黒人が安価なパキスタン製のTシャツを仕入れてプリントを施し正規品よりかなり安い値段で販売を始めたのがパキ綿・ミュージックT(ロックT・バンドT・ツアー T)の起源です。
今でいう、ブートもの(海賊盤)にあたるのですが、プリントの豪華さ、パキスタンコットンの独特な風合いが貴重視され、2004年のロックTブーム時は高額な値段で取引されていました。
ブーム後は当時のパキスタン製のコピー品が出回っていますが、当時の製品は未だに高値で取引きされています。

・当時物(ヴィンテージ)と現行品の見分け方
- ✔︎タグを見る
- ✔︎ボディ、プリントを見る、触れる
- ✔︎とにかく数を見る
・タグが付いていれば間違いなくヴィンテージ!とは限らない
現行品と当時物の見分け方の一つはタグを見ることです。当時物で代表的なタグは「FANTASY」「T-SHIRTS JANCTION(綴りが間違ってるかもしれません。)」「RN0000~(ブランド名無し)」などです。
これらのタグが付いていれば絶対に当時物かと言えば、現行品にタグを後付けされたりしているものもあるので100パーセント当時物とは言い切れません。
やっかいなのは、間違いなく当時物なのにタグが切れているため、誰かが正規のタグを後付けして偽物なのでは…?と疑惑を持たせるようなものもあったりします。
・ボディやプリントを見る、触る
ボディやプリントの作りも判断材料になります。
当時物はガーゼと言ったら大袈裟ですが、それくらい伸縮性があり、プリントもペンキをベッタリつけたような分厚いプリントです。
現行品はモノによっては当時物と見分けがつかないくらい精巧な作りをしていますが、粗悪なものは明らかにプリントが単純な水性のものだったり、ボディがただのポリコットンだったりします。
タグ、ボディ、プリントを総合して当時物か現行品かの区別していくしかないでしょう。
・とにかく数を見てインプットする
まずは当時物を見て触って雰囲気を掴めば自分の中で判断する基準ができると思います。
さらに加えると、どのデザインがリプリントされていて、どのようなデザインが当時物でしか無いかということをひたすら見て覚えるしか無いでしょう。
ヴィンテージTシャツは様々な書籍が出版されているので、書籍から見ていくのも良いです。
様々な書籍を見てきましたが、アンダーグラウンド・ロックTシャツ RIPPED はセンスの良いTシャツがセレクトされており、非常に参考になると思います。
正直、自分自身も未だに判別に苦しむものもあったりしますが、上記を踏まえてパキ綿のディープなTシャツワールドを楽しんでください。