保育園や幼稚園、学校でクラスTシャツを作ることになり、Tシャツ制作係になったけど、どう進めればいいの?という疑問について、実例実体験を踏まえて手順を説明します。
改めてTシャツ完成までの工程は以下です。
【納品4ヶ月前】
1 チーム編成
2 デザイン考案
【納品3ヶ月前】
3 デザイン決定
4 業者選定
【納品2ヶ月前】
5 デザイン展開、発注数公募
6 注文数集計
【納品1ヶ月前】
7 発注
【納品2週間前〜1週間前】
8 梱包
9 納品、集金
前回の説明はこちら↓

Tシャツデザインが決まった翌日からデザインをブラッシュアップし、完成へ向けて動いていきます。
自分達の場合で課題に残ったのは下記点です。
・カラー展開
・フォントの形とサイズ感
・ロゴの大きさ
ここからは今までにない程にチーム感のやりとりが発生します。
基本、文章のやり取りになりますので、要件は簡潔にし認識齟齬の無いようにコミュニケーションを取りましょう。
カラー展開

一色か?多色か?
どのようなテーマを設けても、ボディカラー問題は必ず発生します。
そもそも、一色展開にするのか、多色展開にするのか、というところから決めていかなくてはなりません。
デザイン決定の打ち合わせの時に決められれば、それに越したことはないでしょう。
しかし、デザインを決定した際にカラー展開についてまとまらなかったため、業者発注までに決めることにしました。
デザイン決定の翌日からは、ボディカラー考案の作業に入ります。
フロントのデザインは決まっていて、そのロゴはどのカラーのボディにも対応できるデザインのため、バックの文字デザインのカラーとボディカラーの組み合わせで最も映える組み合わせを20パターンくらい勘案しました。
今思えば考え過ぎですが、それくらい考えつくデザイン構成でした。
余談ですが、自分自身は学生時代まで遡ると死ぬ程の量の古着を見てきて、関連書籍も読みあさってきましたので、好みはあれど、どの色にどの色を組み合わせれば映えるのかが瞬時にわかります。そのため、カラー組み合わせには絶対の自信があります。
さて、そもそも一色なのか、多色なのか問題の解決が先です。
ここで思い出して欲しいのがコンセプトです。
誰のために、何の目的で私達はTシャツを作るのでしょうか。
そう。幼児達の為のクラスTです。
クラスの児童がそれぞれ好みの色のTシャツを着用する姿を想像すると、とても愛くるしい光景が浮かび上がります。
カラーセレクトができるTシャツというのも、決して間違いではないです。
しかしながら、クラスと言えば一体感。
冷静に自分たちのコンセプトを振り返り、「皆が同じTシャツを着るということが一体感を生む」という結論に至り、一色展開に決定しました。
何色にする?
ここが一番悩まされるポイントであり、意見が分かれるであろう重要局面です。
人それぞれ好みはありますし、どうしてもこの色にしたい!という主張が2人以上出てくるようであれば、ボディカラー決定までに時間を要することでしょう。
しかし、デザイン展開までわずか1ヶ月しか猶予が無いため、満場一致で決定するためにはコンセプトや現在までの決定事項を踏まえ、迅速に意見を集約する必要があります。
コンセプトと現時点の状況を集約する
- クラスにまつわるデザイン、もしくは保育園Tとわかるデザインにしたい
- 児童の名前を入れたい
- 大人もできれば日常的に着用しても恥ずかしくないレベル
- 子供達も長く着れるデザイン
- 20パターンくらいカラー展開
- ボディカラーは一色で決定
これらを踏まえた上でチーム内の意見を聴取。もちろん各々が好みのカラーを意見します。
しかし、それで良いと思います。まずは無理に周りに合わすよりも、純粋な好みや意見をぶつけ、議論することで全員の意識が同じ方向へ進むからです。
そしてそれは最終的に自分の純粋な好みのカラーではなく、コンセプトに沿ったカラーへ決定することに導きます。
自分たちの場合はクラスカラーのようなものもありましたが、それでは面白くないというような感覚的な共通思考があったため、クラスカラーは除外され、原色系についても児童で似合う、似合わないが出てくるので、原色系も除外となりました。
最終的に残ったのが白と黒。実は前年度の学年のクラスTのカラーが黒だったので、最終的にボディカラーは白で決定しました。
白だと子供達はすぐに汚してしまうんでは、、、というような意見がありましたし、実際に自分もそのように感じました。
しかし、「そんな汚れだって思い出にしてしまいましょう」という意見を出してくださった方がいらっしゃり、それって素敵だなと皆が感じたことで、満場一致でボディーカラーは白に決定しました。
ここで言いたいことは、ボディカラーは~色がお勧めです!ということではなく、正解の無いことの決定に至るまでのプロセスについては、コンセプトとこれまでの決定事項が重要であるということです。
コンセプトに立ち返り、これまでの決定事項を集約することで、意見が分かれやすい正解の無い問題もメンバー内の意識が共有され、満場一致で決定するまでの速度が変わってきます。
フォントの形とサイズ感

バックプリントはミュージックTのツアー日程に見立てて、園の名前や自動の名前を英語表記にするのと、動物のイラストのみの単色プリント予定でしたので、文字のサイズ感、動物のイラストとのバランスを考え、仕上がりのデザインをチーム内で共有します。(※動物のイラストは打ち合わせ後にすぐデータでいただきました。)
フォントは種類が多すぎるので、思い切って自分のセンスで決め打ちしてしまいましょう。
指定や要望は展開した後に受け付ける方が効率が良いためです。
そして、誤字脱字やバランスの善し悪しもしっかり見ていただき、指摘を頂いた箇所はこまめに修正を重ねていきます。
何度か修正を重ねて、全員の意見が一致したら、ひとまずバックプリントは完成です。※幸いにも自分達のチームでは細かいフォントの指定は無く、最初に決め打ちしたフォントで決定しました。
ロゴの大きさ

ロゴの大きさは必ず計測しておきましょう。
少し余談を挟みます。本来であれば業者選定前に確定しておくべき事項なのですが、当時の自分は業者発注時にデータだけを渡してそのデータから読み取ってくれるだろうという甘い考えであったため、業者からロゴのサイズを正確に教えてくださいと指摘されてしまいました。
その時はちょうど時間もなく慌てていたのですが、手が空いていた他家族にサイズ感を確認していただき、事なきを得ました。
記憶にある中では、ここが一番のミスであったかなと思います。
ロゴの大きさについては、意外と一人一人の理想の大きさが微妙に異なるので、自分がデザインしたときに大体このくらいだろう、とデザインを展開すると、もっと大きめが良い、小さくするとどんな感じか?というような意見が出たり、もっと細かいところでロゴの大きさは~cmが良い等の意見が出てきて、まとまるまでに時間がかかりました。
最終的には私物のTシャツのロゴのサイズを測り、そのロゴの大きさと同じくらいで、というところで落ち着きました。
手持ちのTシャツを引き合いに出すとイメージがつきやすく、寸法も計測できますから、ロゴサイズ確定までの時間が短縮できます。
このような一連の工程をデザイン決定から1ヶ月間の間に行い、デザインを仕上げます。
時間軸としては、並行してTシャツにプリントを依頼する業者を選定していきます。
次回は業者選定について綴っていきます。