


概要 【Overview】
1980年代のマルチプリント(テストプリント)のノースリーブシャツ。元々はTシャツの形状であったものがカットオフされている。
表面はオリエンタルなサーフ系のデザインで、裏面は爆撃機やレディーデザインなどミリタリー系のデザインがふんだんに散りばめられている仕様。
それぞれ単体のプリントとして出回っている可能性が考えられるものの、それらをテストで一枚のTシャツに刷ったもの。
本来生産工場で廃棄される運命にあった一枚だが、持ち出された上にさらに不用品となり市場に流れ出たと推察される。
年代 【Era】
1980年代
相場 【Market price】
2010年前後:¥30,000〜50,000
2020年前後:¥50,000〜70,000
感想 【Impression】
手に入れるべきか
唯一無二の一枚であることは間違いないため、市場に出てくることがあればどのような用途であれ入手すべき。
全く同じものが市場に出てくるとすれば、かつて著者が販売したものを現オーナーが手放すくらいしか考えられない。
基本的にマルチプリント、テストプリント、エラープリントものは2枚と同じものが無いことからコレクションとしても価値がある。
このTシャツに限らず、ヴィンテージは骨董品の観点からも、今後価値が下がることは考え難い。
よって投機的な意味でも購入する価値がある。
・販売までの経緯と感想
オークションサイトで購入したと記憶していますが、形状がノースリーブであったからか、非常に安価で出品されており、自分自身としては飛び付くようにbetしました。
恐らく当時のオーナーが不用品として出品していたため「叩き売り」に近い形になっていたと思われます。
破格で仕入れることに成功したため、販売当時は仕入れ値の10倍〜20倍くらいの価格で売れました。
このようなことはヴィンテージ界隈に限ったことではありませんが、持ち主が「ガラクタ」と判断しても、見る人が見れば「お宝」になり得るものも存在し、安く売りに出されている「ガラクタ」を「お宝」と捉える人にとっては、そのような品物に出会った瞬間はこれ以上に無い至福の時です。
お宝を探す物語で、黄金の財宝を見つけたときにその光で目が眩むような描写が描かれることがありますが、実際のお宝に出会った瞬間というのは、目が眩むくらいの輝きがないにしろ、希少なものを目の当たりにしているという意味では自分の目には眩しいくらい輝いて映ります。
もちろん、このようなケースは非常に稀であり、一般的な販売価格は仕入れ値の2倍、良くても3倍ほどです。
特に近年ではヴィンテージ界隈ではモノによっては海外でも価格が高騰しているため、3倍を取るのも難しくなってきていると感じます。
また、現代では業者ではなくとも、一般ユーザーがオンライン上で気軽に買い付けや販売ができる状況になっている事も利益を狙った販売の難易度を上げている要因でもあります。
著者が学生時代の頃はいわゆるヴィンテージ品や一点もののようなレアアイテムも少し背伸びすれば手が届きましたが、現代のヴィンテージ品は余程の覚悟がないと購入できないほどのものへ変貌していて、このことからヴィンテージ古着は着用するものから展示されるもの=骨董品への変革の時を迎えていると否応にも感じます。