保育園や幼稚園、学校でクラスTシャツを作ることになり、Tシャツ制作係になったけど、どう進めればいいの?という疑問について、実例実体験を踏まえて手順を説明します。
改めてTシャツ完成までの工程は以下です。
【納品4ヶ月前】
1 チーム編成
2 デザイン考案
【納品3ヶ月前】
3 デザイン決定
4 業者選定
【納品2ヶ月前】
5 デザイン展開、発注数公募
6 注文数集計
【納品1ヶ月前】
7 発注
【納品2週間前〜1週間前】
8 梱包
9 納品、集金
前回の説明はこちら↓
業者を決定する
デザインのブラッシュアップと並行し、実行しなくてはならないのはデザインしたTシャツの制作を依頼する業者選定です。
この業者選定が重要で、Tシャツの仕上がりはもちろんのこと、クラスの親御さんに提示する金額も左右することになります。
結論から言うと業者は「丸昇」さんに決めました。

理由は以下の3点です。
・Tシャツ制作している知人の紹介
・価格帯の幅広さ
・プリント製法、ボディ種類の豊富さ
知人の紹介

もしこのようなツテがあるのであれば、真っ先に相談することをお勧めします。その人はノウハウを知っていて、メリット、デメリットも知っているので、業者選定の重要な判断基準になります。むしろ、その知人が既に製作の実績があれば、決め打ちしてしまっても良いかもしれません。
ちなみに自分は他社と比較検討したものの、知人の製作実績があり、他2点の項目を含めて総合的に丸昇さんに決めました。
価格帯

価格差に関しては、比較検討が必要となります。1社しか見なければ判断基準も何も無いので、知人の紹介があったとしても他の業者も検討することをお勧めします。ちなみに自分は他家族から紹介いただいたTシャツ製作も行っているというショップまで足を運び、実際に見積もりを頂いた上で比較検討しました。(と言っても、比較しすぎても途方に暮れてしまいますので、多くても3社程度で良いと思います。)
また、業者がどのくらいのレンジで価格提示しているかもポイントです。
価格レンジが広い分、需要側の要望に答えられる可能性が高いので、価格幅もチェックすることをお勧めします。
プリント製法、ボディ種類の豊富さ

価格幅と並行して見ていきたいのがプリント製法とボディの種類です。プリントの種類によって値段も変わってきますし、素のボディだけでも値段が変わってきますので、種類が多いということは、どの程度のサービスが提供できるのかを測る指標にもなります。
丸昇さんのサイトをご覧頂くとわかりますが、きめ細かい価格設定、プリント製法、ボディの提供がなされており、これなら自分達の要望を満たすことができると判断しました。
見積もり依頼
さて、デザインが確定し、業者が決定したら業者へ見積もり依頼する事前準備をチームで協議します。
見積もり依頼に必要な項目は下記3点です。
・デザインデータの納品
・プリントパターンの選定
・ボディの選定
デザインデータの納品
デザインを業者へ納品するにあたり、事前にデザインの仕上がりサイズを伝えなくてはなりません。
自分の場合は以前記載した通り、何となくの大きさで決めてしまっていたので、デザインを業者へ納品する際に詳細なサイズを教えなくてはならないところ、確認する時間が無く、チームメンバーに計測してもらったというカバーリングをして頂きました。
Tシャツのデザイン画像だけ見れば、何となく意図は伝わるだろうという感覚でいましたが、製品制作工程で「大体」はありません。
相手の立場に立てば自分でもロゴサイズは確認しますし、配慮が足りなかったと反省しました。
もう一つ重要なことは、どのサイズのTシャツを基準としてロゴの大きさを決定するかということです。
Tシャツサイズごとにデザインの大きさを変えてしまうと、版の代金が上がります。
Tシャツのプリントはデザインの型とサイズを決めて版を作っていきますので、全く同じ大きさでもサイズ違いを1つオーダーする場合、2版という考え方となります。
※但し、プリント種類によっては1版で済む場合もあり。
また、版は一色につき1版となるため、そのデザインが3色使う場合は3版分の版代が発生します。
自分達の場合はフロントデザインで3色、バックデザインで1色のため、この時点で4版となります。
ボディサイズに合わせてデザインサイズを変更するとなると、4×ボディサイズ数〜となり、金額がはまらなくなってしまいます。
そのため、デザインサイズは1種で良いですが、その場合の注意点はデザインサイズを最小のボディサイズに合わせる必要があるということです。
最小のボディサイズの身幅が30cmに対してデザインが30cm以上の場合、そもそも最小のボディサイズにデザインが収まりません。
デザインサイズは最小のボディサイズ想定で、かつ最大サイズでも小さくなりすぎないサイズ感が望ましいでしょう。
プリントパターンの選定
プリントパターンは大きく分けて油性プリント(ラバープリント)、水性プリント(染み込みプリント)、転写プリント(アイロンプリント)の3パターンに大別できます。
丸昇さんは上記で大別した以外にも様々な技法があるので、徹底的に拘る場合は下記をご参照ください。

自分達は子供がイベント以外でも日常で長期間着用するのを踏まえてラバープリントを選択しました。
価格が安価である割には染み込みプリントのような仕上がりのバラつきが無く、アイロンプリントのようなチープさも感じないためです。
ボディの選定
ボディも様々あって迷うところですが、ここは迷わずUnitedAthle 5001を選択しました。

これは丸昇さんが代表例として価格を踏まえて打ち出されていることや、自分自身の知見ですが、中古衣料店で個人のオリジナルTシャツが並んでいるのを見た時にこのボディが使われていることが圧倒的に多かったため、あらかじめ信頼があったということに他なりません。
実際にTシャツを製作したのは約3年半程前ですが、プリントも生地も未だにしっかりしていて、上の子からサイズアウトで下の子におろし、今もなおヘビーローテーションで着用しているにも関わらず、型崩れしていません。
ボディについても家族間の話し合い(LINE)はありましたが、上記のような理由の説明と価格により、すんなり決まりました。
(できれば)サンプルを発注する
これはマストではないのですが、もし可能であれば大人のMサイズ、年長の子供の平均サイズの110辺り(年長幼児の平均身長)で1枚ずつサンプルを発注しましょう。(※幼稚園、保育園の場合)
業者に発注する場合、まとまった枚数で発注しなければ単価が上がってしまうのですが、データだけでイメージ図を見てもらうのと、実物を見てもらうのでは着用イメージに雲泥の差があり、実際に購入促進に高い効果があります。
多くのご家族に購入して頂き、みんな一眼となって子供達のイベントを盛り上げるために、一人でも多くの親御さん、児童の兄弟含め着用している光景を実現したく、ここだけは自腹を切ってでも実行したいと考え、その想いをメンバーに共有したところ、サンプル制作に了承いただきました。
ただ、サンプルを発注する前に現場の責任者の方へ一定期間サンプルを置かせてもらえるか(展示させてもらえるか)必ず確認を取りましょう。もし現場への展示が難しい場合はサンプルの着用画像を周知する、というような方法も良いかもしれません。
業者へ見積もりが取れたら、次の工程は各家庭へのデザイン展開と発注数の公募へ進めます。